お世話になります。京都・大阪の社会保険労務士の藤井です。
◆65歳以上は原則として国保に加入
厚生労働省は、「65~74歳」と「75歳以上」とを区分している現行制度に代わる、新しい高齢者医療制度の素案をまとめました。
今回の素案については、年末までには最終結論を出し、2013年度から新制度に移行する予定のようですが、今後の制度設計の具体化は難航が予想されています。◆現行制度と新制度
現行制度では、高齢者を65~74歳の「前期高齢者」と75歳以上の「後期高齢者」とに分けており、74歳までは市町村単位で運営する国民健康保険(国保)や企業の健康保険組合などに加入しています。75歳以上は別枠の後期高齢者医療制度(長寿医療制度)に加入し、医療給付費の1割を負担する仕組みとなっています。
新制度の素案では、「65~74歳」、「75歳以上」といった区分をなくし、65歳以上の高齢者は原則として国保に加入する仕組みとしていますが、現役世代とは別勘定とし、医療の実態に合わせた応分の負担を求めることとしています。
◆現役世代とは別勘定
また素案では、年齢による差別への批判に対応し、健康保険証の発行や健康診断など、健保事業は現役世代と同じ各市町村の国保が担当することとしています。ただし、財政運営は、65歳以上を現役世代とは別勘定とし、現役と高齢者の負担の線引きをします。これは、病気やケガが多い高齢者が増えると、医療費の増加により国保の財政が悪化し、現役世代の保険料引上げなどを招きかねないためです。
高齢者医療制度の財政運営が市町村単位であると、高齢者が多い自治体の保険料率が過度に上昇して地域差が大きくなる可能性があるので、65歳以上の部分は都道府県単位で一体管理をすることにより、保険料の水準は同じ都道府県であれば同一になるとしています。
65歳以上の勘定には、国保や大企業の健保組合、協会けんぽ(旧政府管掌健康保険)など、すべての現役世代の保険が支援金を出し、高齢者の保険料負担を緩和する動きがありますが、65歳以上でも企業で働いている人については、例外として企業の健保組合などへの加入を認める方向です。
ただ、公平できめ細かい制度設計ができなければ、支援金を負担する企業や現役世代からの反発も予想されるため、保険料算定の仕組みによっては、65~74歳の世代の負担が増える可能性もあります。
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